きまたまジャーナル

オーロラの海に浮かぶ氷山と、アーモンドの花冠

オレオレ詐欺

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家の電話を切った娘2がこわばった顔で走り込んできて、

オレオレ詐欺きたよ!」

と告げた。

「もしもしお兄ちゃんだよ、だって。30歳くらいの男の人。名前も言わないの。うちに自分のことお兄ちゃんとかいう人いないじゃん! すぐ切ったけど、またかかってきたらどうする?」

言い終わるなり、再度電話が鳴り、また娘2はリビングに走っていった。心配になって見に行くと、今度はケタケタ笑って、受話器を持ったままごめんごめんと連発していた。

「お母さんに替わるね」

電話の主は私の父であった。

「お兄ちゃんじゃなくて、おじいちゃんだった。声若いんだもん」

と娘2。

「もしもし、きまちゃん? さっきからLINEで携帯に電話してるのに、一向に出ないからさ、こっちにかけてみたんだよ。掛け直してくれる?」

たしかに、改めて聞いてみると、ホントだ。少し高めの父の声は、若者の声に聞こえなくはない。へええ。電話ってわからないものだなぁ。これならオレオレ詐欺、私も引っかかりそうだなぁ。

 

孫娘に30代と間違われて、かなり上機嫌なおじいちゃんであった。