きまたまジャーナル

オーロラの海に浮かぶ氷山と、アーモンドの花冠

都庁の展望台へ

東京の友だちと会うついでに、新宿でご飯を食べて、都庁の展望台へ。直通のエレベーターで、地上からわずか55秒。登ろうと誘ったのは私の方なのに、いざ展望台のある45階にたどり着くと、怖くて怖くて足が震える。

 

ここに立ってね、のマークまで進めない。そういえば、小学校の教室ロッカーのうえにも上がれないほどの高所恐怖症なのであった。

 

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ぐるりとガラス窓で囲まれた展望ラウンジの中央には、ピアノが置かれている。「思い出ピアノ」。5分交代制で誰でも弾けるらしい。今は白髪の老人がジャズを弾いている。

 

地震が起きたら、このピアノ、ゴロゴロ移動して窓を突き破ったりするんだろう…などとつい想像する。

 

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遠くは霞んでいて、富士山は見えないけど、こんがり日焼けしそうな、いいお天気。タワマンて毎日こんな感じなんだろうか。もしお布団干せたらフカフカだね。

 

へっぴり腰のまま、すごい眺めだねー! と、窓から距離をとって歩き回る。低層ビルは、びっしり並ぶとおもちゃみたい。地平線のあたりを見つめていれば、さほど怖くない。

 

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足元は無理。

思考が止まる。

飛び降り自殺だけは絶対できないと思う。500万円もらってもやりたくない。

 

映えスポットなのか、室内は海外からの観光客でかなり賑わっている。広い窓を背に、ピースサインとかで写真を撮りあったりしている人たち。しかし、なんでそんなキワキワまで、しかもバックで窓に近寄れるんだろう? この命知らず。とか思ってしまうが、ふつうは怖くないのか。

 

「ここには乗らないでください」と、ガラス窓の枠付近に注意書がしてある。窓枠なんて、天皇陛下に頼まれても、絶対乗らないけどね。1000万円賜ってもやりたくない。

 

エレベーターで降りる前に、おトイレに行ってみた。が、便座に座ったらそのまま地上まで落下しそうで、どうしても信用できない。そんなことあるわけないけど、世の中に「絶対」はないわけで。あったらどうする。

 

逡巡した末、用を足すのをあきらめることにした。

 

友だちとまたエレベーターに乗り、55秒で地上に生還。ただなのに、すごい楽しかったね。今度はいつか夜景見にこよう。