きまたまジャーナル

オーロラの海に浮かぶ氷山と、アーモンドの花冠

明け方の睡蓮、と呼ばれて

睡蓮はそんなに好きじゃないけど、クロード・モネの描く睡蓮は好きだ。


モネは晩年、自宅の庭の池に咲く睡蓮の花が水面に映る様子に魅了され、その光の移ろいを表現することに情熱を傾けた。睡蓮を題材にしたモネの作品は、200点以上にのぼるという。

 

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昨年秋、モネ展に立ち寄ったときもいくつか睡蓮シリーズが展示されていて、撮影可能な作品もあった。


美術書とかで見るモネの絵は補正がかけられているのか、かなり色鮮やかなのだが、実際の作品はとても淡くて儚い。

 

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30年ほど前、どこかの展覧会で、モネのアトリエを実物大で再現した3D画像みたいなものを見た記憶がある。モネの作風は牧歌的なのに、尖った美意識のみなぎるアトリエだった。室内の棚に人間の頭蓋骨がひとつ置いてあり、それが意外の極みで、はぁやっぱりこの人はアーティストなんだなぁと、思わぬところで感心したのだった。

 

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クロード・モネには、最初の妻カミーユとの間に2人の子ども、また、不思議な共同生活の末に再婚したアリスとの間に6人もの連れ子がいた。のちに、その血のつながっていない子ども同士で結婚し夫婦になった者もいる。正直なところ、モネの家族観は私のような凡人の理解を超えているが、幸せな日常を描いた作品も多く残している。


彼は、自分自身が描きたいものを描くということに心血を注いでいて、その情熱が彼を創作に駆り立てていった。だからきっと、モネは恋愛に対しても自分自身の感性の赴くままに生きていたのではないかと思う。