海と山なら、どちらが好きか。
私なら「海」と答える。
幼いころ、夜の波止場に座って
打ち寄せる波の音を聴くのが好きだった。
何時間でもそうしていられた。
落ち着く。
飽きない。
波はとても不思議だ。
ひとつとして、
同じ響きも同じ形もない。
神のことばによって
この地が造られたときから
繰り返し繰り返し
語りかけるように
打ち寄せ続けている。
神の愛も大波のように
押し寄せるというけれど、
砕ける波の形を見つめ
その音に耳を澄ますとき、
ゆりかごに揺られている
おさなごのような気持ちになる。