きまたまジャーナル

オーロラの海に浮かぶ氷山と、アーモンドの花冠

春のにおい

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春休みで東京から帰省している娘が、カーテンをシャッ!と開けるなり、「春のにおいがする」と言った。一瞬風が吹いて、梅の花びらが部屋に舞い込んできた。


窓から見える松林の下草はまだ枯葉色で、等間隔に黒い松ぼっくりが落ちているだけだけれど、薄い雲を通して注ぐやわらかな光はたしかに春で、木々が朧な影を地面に落としている。わくわくする。


あっという間におにぎりを作って、適当なジャージにヒールの高いサンダルをつっかけて、娘は散歩に出て行ってしまった。