「ぼうしのおうち」は、こびとが主人公の物語である。
エリサ・ベスコフの絵本に登場するのは、寒さに閉ざされ、淡い太陽が貴重な北欧の暮らし。でもそこには豊かな自然があり、短い春夏の明るさも際立つ。そして、室内には備蓄とハンドメイドが充実している。
この外と内のコントラストと、ベスコフの独特な世界観に、私はいつも心惹かれてしまう。
またベスコフの絵は、こどもがこどもらしく描かれていて愛らしい。彼女自身にもこどもが6人いたそうだが、年齢に応じた描きわけもすごくうまい。さすがの観察力だと思う。
しかし。この物語の顛末がこんなだったなんて…
いやぁホントありえないでしょ…
うちの子どもたちからも「ママ、これでいいの?」と疑問が噴出した問題作。中盤からの展開に心はざわついていく。これもあえてストーリーを伏せるので、ぜひ読んでみていただきたい。