昔、この絵本に登場するあほうどりが無性にツボだった。仲間を3羽以上かぞえられなくて「いっぱい」と言ってしまう、アホなあほうどり。あえてストーリーは伏せるので、機会があれば読んでみてほしい。
なんでツボったかというと、私も子どもが4人産まれた時点で、数を把握できなくなっていたからである。
4人以上になると大変なのが移動。チャリにもタクシーにも全員搭載できない。そのため、ベビーカーに箱乗りさせての徒歩か、電車の選択が多く、行き帰りには点呼が必須であった。
子どもが多いと知り合いも多い。道を歩いているうちに、それぞれの子の友だちがついてきて、全体の人数が増えていくこともよくあった。
意気投合して、お菓子などわけあい、道中やたらと仲間が増えていく。昔話の「さるかに合戦」みたいだなと思ったものだ。
増えた状態でガヤガヤ移動していると、知らない人からチラチラ見られたり、声をかけられたりすることもよくあった。目立つんだろう。
「全部お宅のお子さんですか?」
「はい、そうです」(テキトー)
「可愛い子ばかりで。お母さん幸せね」
「ありがとうございます」
かわいいと言われるとやはり嬉しいのだろうか。そういうときなぜか、とくに否定する子もいなくて、みんなニヤニヤ楽しそうに私を見つめていた。面白かった。
というわけで、子ども3人以上は「いっぱい」である。そして、お母さんには毎日、アホでもないとつとまらないことがたくさんあるのだ。